備忘録 朝焼けは汚濁の乱反射

本質を視る R-18 (作家の執筆活動と作品の公開の権利を侵害したアメーバ、作家の執筆活動と作品の大成を阻害したPeing、作品を侮辱しかつ本来と異なる形での公開を余儀なくさせたTwitterJPに対し、遺憾の意を示すと共に厳重に抗議いたします。)

ゾゾケフィア

新しい一日は無情に私を引き揚げた。

四回目のスヌーズに陥落して、ふてくされながら目を覚ます。

が、駄目。力尽きてベッドに倒れ伏せた私は、寝ぼけ眼でSNSを流し見しながら、不甲斐ない現実から意識を隔絶させようとした。

 

そこには一通のダイレクトメッセージ。

『こんにちは、前澤です。本物です笑』

 

飛び起きた勢いで手から滑り落ちかけるスマホをダンスさせるかの様に捉えようとした。しかし、あえなく手から離れたスマホはフローリングに激突した。画面にはメッセージの続き。手で掴もうとした時にタップしてしまったのだろうか、そんなことはお構いなしに肢体を床に投げ出した私は、スマホの目の前で四つん這いになって食い入る様にその福音を読み上げた。

 

当たった。

スタートトゥデイの社長100万ピストンプレゼントキャンペーンだ。

 

勢いよく立ち上がり、つまずきかけながらも寝室の襖を掴みこじ開けた。

そこに彼はいた。

「おはよう(ヒクヒク)」

 

体に迸るこの喜びに行き場はなかった。正確には血液達は一斉に私の不遜な陰茎へと行き集ったが、そこにはズボンとパンツという枷が理性の二段階認証を求めていたので、唯一の択を失った精神は引き延ばされた一瞬の中を渦巻いていた。

 

けれども所詮コンマ1秒。

まず私は突き出された友作のケツマンを思いっきり広げた。甘い匂いを堪能しながら開閉を続けて、ようやくその男のあられもない姿と言葉を脳が処理し始めた。

 

「そ、そんなに必死に人のケツマンを拡げるこたぁないよ。この肉孔の処女航海なんてもうとっくの昔に終えられてるし、目ぼしいものもないだろう。」

 

「……!」

 

いや、ある。

 

 

あったのだ。

この穴は、物を包み込んで終わる代物じゃない。

 

 

と、冷静になる。

同時に自己嫌悪。目の前の膳に対して身体を全く抑えられないのは私の悪いところだ。

せっかちで堪え性のない奴だと周りによく言われた。

冷静になり、ひとまず自らの衣服を剥きながら友作を見る。

友作はもちろん裸だが、仰向けになって自分の膝裏に腕を挟み込み、人間オナホールのような利便性を呈していた。私が起きるまでずっとこんなポーズをしていたのだと思うと、長らく忘れていた愛おしさが芽吹く。

 

「さあ、プレゼントだよ。100万ピストンだ。」

そういうと友作は更に腰をこちらに突き出してきた。

その必死に紅潮させた顔は、顔面と相まってまるで先程まで温泉に浸かっていたニホンザルだ。

 

堪える暇もなく、思わず吹き出してしまった。

「え、なにw」

つられて笑い腹筋に力んでしまった友作のケツマンから、白い球状のなにかが排出された。

……よし。

 

 

ゾゾケフィア

友作の膣内でのみ、注ぎ込まれた精液が濃縮されて作られると言われる精力剤だ。

命が口の中で弾ける感覚と友作の香ばしい香りはまさに至高であると聞く。

以前友作はこのゾゾケフィアを栄養剤としてZOZOから販売しようと企画を強行していたが、内部の人間がそれを知ってしまい彼は社長の座の退任を余儀なくされたらしい。

この事実は揉み消され、現在世間的には別の理由によって自主的に退任したということになっている。

 

赤スパチャを毎秒送る熱心なマエザワーで、俺を友作沼に嵌めた友人がいる。彼はマエザワーでも有力な情報通でもあり、ゾゾケフィアの存在とそれにまつわる噂を教えてくれたのも彼だ。

さらに話を聞けば、その内部の人間はあるテロリスト集団に連れ去られただとか、ゾゾケフィアは彼らの資金源として裏で流通されているのだと言い出したから怖い話だ。

 

まあ、現状こんな傾倒したホモ社長セックスキャンペーンが公に行われ、倍率がここまで膨らんでいる時点で、この世界で恐れるものなどもうないのではないだろうか。

 

先程ケツマンを覗き込んだ時に白い塊が友作の律動に合わせて蠢いていたのを見て、ゾゾケフィアなのだと確信した。

……本当に美味しそうだ。

 

「失礼、毎朝排出してきているんだけど……にしてもこれは、凄いな。昨日までのピストンプレゼントの子は凄い量だったけれど、まさか一人でここまで大きいゾゾケフィアができるだなんて。」

 

ケツマンをひくつかせながらも驚きと関心を見せる彼は、無意識に物欲しそうな目をしていた私を一瞥すると、

 

「……君は知っているんだね。いいよ。メガゾゾケフィア、セットで君にプレゼントしてあげよう。」

 

その顔には恐怖と興奮が微かに滲んでいた。

 

粘膜に包まれたゾゾケフィアをすぐに拾い上げる。

窓から朝日へそれを透かしてみると、白いモヤの塊がギッシリと詰まっていた。

全て名も知らぬ男から友作に注がれた精子だ。

 

 

 

 

 

何故かその一つ一つから別の男に愛された友作の姿が脳内でイメージを結んで、少しだけ陰茎の血が引いた。求めるものの前でセンチメンタルになったのは初めてだった。

 

これから蹂躙してしまえば、この孔は私だけに向けられるものではなくなる。

100万回なんて足りない。

だけど私には、この束の間の時しか与えられないのだ。

やはり、考えるなんて無駄なことだ。

今の私に出来ることはただ一つだけ。

 

 

私は先駆者の子種を噛み潰した。