「 ゜」
スタープラチナでいきなりフィストファックされた億泰は、再起不能となった。
「じ、承太郎さんーーーーーーーーッッ!?」
またしても、康一の悲鳴が平和なはずの杜王町に響き、パステルカラーの彼方へ消えた。
事の発端はほんのコンマ数秒前。
仗助、億泰、康一、そして承太郎は久しぶりの日曜なので屋外でジンギスカン鍋をつついていた。食欲をそそる焼けたお肉の香りが辺りを包む日常の一幕。その光景は、ある男の一言を皮切りに一変した。
「おぉ~、承太郎さん、ちゃんと”野菜”も取ってて『えらい』っスね
「『スタープラチナ・ザ・ワールド』」
一瞬。
万物は静止する。
いや、”入門”した彼にはそう見える。
「…………『野菜食べててえらい』じゃあねえぜ、億泰」
承太郎は歩みを進める。
「この空条承太郎は・・・いわゆる不良のレッテルをはられていた・・・」
「ケンカの相手を必要以上にブチのめし病院から出てこれねえヤツもいた…」
「イバルだけで能なしなんで気合を入れてやった教師は2度と学校へ来ねえ」
「料金以下のマズイめしを食わせるレストランには代金を払わねーなんてのはしょっちゅうよ」
億泰の後ろに立った彼の姿は、かつてエジプトで繰り広げた盲目の男との激闘を思い出させる。
「だがこんなおれにも」
「はき気のする「悪」はわかる!!」
「「悪」とはてめー自身の「ちゃんと野菜を食べる」という考え方をおしつけるやつのことだ!!死ね、バカ。そういう奴らが大嫌いなんだよ 野菜はおいしいから食べんの ちゃんと野菜食ってりゃえらいって、お前らが野菜が嫌いだったからそうなってんだよ 野菜は美味しい食べ物なんだよ。野菜は美味しい食べ物なのに、お前らが野菜ちゃんと食えって言うからバカなんだよ 死ねバカ。マジで死んだ方がいいよ。お前らが煽ってんだよ。本当死んだ方がいい あと4部時点だと2秒程度しか時は止められねえはずだがアニメ補正でオレが喋り続けている限りスタープラチナ・ザ・ワールドは続くぜオラーッッ!!!!」
仗助にも劣らないファースト・フィスト・ファックが繰り出される。全盛期を過ぎながらなお衰えを知らない破壊力、そして正確にアナルへめがけて打ち込む精密動作性が同居した一撃。一本の「針」のように一点のみを突き抜けた拳によって、学生服のズボンとパンツの繊維一つ一つが撫でられるようにほどけていき、大きな穴を広げていく。インモラルを隔絶するセーフティネットに認証され肛門に迎え入れられたその後には、まるでそこにあるべきのように前立腺を叩きつけた。度重なる仗助からのフィストファックと再生によって鍛えあげられた肛門は、並のスタンドのフィストファックでは快感にのみ変え得るが、承太郎のスタンドの能力がそこにとてつもない冒険を生んだ。
スタープラチナによって前立腺に叩き込まれるあまりにも精密なラッシュは、クレイジー・ダイヤモンドのそれとは比べ物にならないほど的確に、快楽をその身に刻む。さらに時を止めたまま拳を繰り出し続けることで蓄積されたショックは、動き出せば実質その全てがいっぺんに億泰の脳に襲い掛かる。
結果、回路が焼き切れるように。
億泰の脳は「殺害」されるッ!!
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ……………………ッッッ!?」
億泰とそのアナルが。
そこにとてつもない冒険を生んだ。
「ェ~~~~ッおギァふえケびふゥほォオオオォォアォォゥゥゥゥアォオォッッッキ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?♡」
億泰は”入門”した。
(♪ここで処刑用BGM)
長らくクレイジー・ダイヤモンドのデイリー・フィストファックを受け続けてきた彼は、そのラッシュスピードに乗せて訪れる快感に慣らされてきた。すなわち、快楽の処理速度が「超弩級」と呼んで差し支えない程に鍛えられたのだ。
それは、連続するエクスタシーに身をおいてのみ「時が止まったように”感じ”られる」までに。
「ぎャマてリアぁくくクぼばベンふぉドぷくけゲゲゲガェビなくチおんポリぁがンンッ!?!?!?!?!!!!!!!!!!!!!!♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
突如駆け巡ったショックを既に快楽として飲み込み始めた億泰を前に、承太郎は抱いた戦慄を虚ろな時の狭間に追いやり、なお勢いを衰えさせない。
スタープラチナの一撃とその快感全てを余すことなく受け止める姿は、パンチングミットを手にした一流の格闘技トレーナーを彷彿とさせた。
「その芸当、最早一つの突き(ラッシュ)としてふさわしい……侮れねー奴だぜ」
「すなわち、「速さ比べ」だ、億泰」
一言を皮切りに、承太郎の独擅場は終わりを告げた。
互いが互いのすべてを絞り出し、一方は攻めの突き(ラッシュ)を、一方は守りの突き(ラッシュ)をぶつけ合う。
「オラァッ!」
何秒も。
「ぎゴ??♡♡」
何分も。
「オラァーーッッ!!」
何時間も。
「ちョギ!!!!♡♡♡♡♡♡」
いや、きっと計れない。
だって今は、彼らを除いてすべてが。
何もかもが静止しているのだから。
愛の火花が散る。
いや、これは腸汁だ。
それは、確実に前立腺のみを刺激していたはずのスタープラチナの精密性が損なわれつつあることを意味していた。
快感に腰が震える。
いや、これはあの痙攣か。
それは、確実に快感のみを受け止めていたはずの虹村億泰の感覚が損なわれつつあることを意味していた。
やがて訪れる終幕。
その勝者は。
「てめーの敗因は…たった ひとつ だぜ……」
愛の火花によって発火した、
空条承太郎の信念。
「たったひとつの単純(シンプル)な答えだ………」
打つべきピリオドを、
掌に握りしめたスタープラチナは、
『てめーは俺を怒らせた』
強く、その右腕を突き挿れて。
「オラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして、時は動き出した。