備忘録 朝焼けは汚濁の乱反射

本質を視る R-18 (作家の執筆活動と作品の公開の権利を侵害したアメーバ、作家の執筆活動と作品の大成を阻害したPeing、作品を侮辱しかつ本来と異なる形での公開を余儀なくさせたTwitterJPに対し、遺憾の意を示すと共に厳重に抗議いたします。)

”H”のコイン

サッカーカンボジア代表の監督を務めていた本田圭佑は、W杯予選で屈辱的敗北を喫してしまったために国民から追われる立場となった。ペプシコーラに匿われた本田であったが、彼らはその裏で某国と密かに契約を交わしていたのだった。定番プレゼント企画「本田とバトル」の最新作「本田とコイントス」の撮影を終えた途端、後頭部を殴打され本田は気絶した。

 


頭上で両腕を拘束された本田が目を覚ます。そこは目の前に大きなモニターとスピーカーがある以外、一面コンクリートの無機質な部屋だった。意識を取り戻したのもつかの間、モニターが付き、黒ずくめの男が映し出された。状況を把握する間もなく、その男は突如ノイズの混じった声で喋りだした。

 


「早速だがコイントスで勝負。私が投げるコイン、”K”か”H”。どっちが出るか、当ててみろ。もし当てられなければ、お前の感度が3000倍になる薬を投与する。ほな、投げるぞ。(得意げな顔でコインを投げ、手の甲に収める。)では”K”か”H”、選んでもらおうか。(ピッ、ピッ、ピッ。)」

 


何を言っているのか本田には意味が分からなかった。どうにか逃げ出そうと縛られた手を動かすが全く緩む気配がなく、それどころか突然鋭い痛みが走った。よく見ると注射針が本田の腕の静脈に刺さっており、そこから長い透明なチューブが天井に向かって伸びていた。3000倍とかいうのはよくわからないが、きっとこれがあの男の言う『薬』を投与するための物だろうと本田は察した。なんにしても、得体の知れない何かを自分の体の中へ入れる訳にはいかない。二分の一の確率だ。俺なら勝てる。Twitterでは数多くの人間を打ち負かしてきたのだから。不正の決意をその身に宿し、本田は掠れた声で答えた。

「”H”。」

 

 

 

...............長い沈黙が部屋に流れる。

 

 

 

.....................日本の期待を背負い続けた俺ならきっと大丈夫だ。

 

 

 

 


.................................「フッ.......フッフフフハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!」

その静寂を劈いたのは、モニターのスピーカーから聞こえる笑い声だった。

「さようなら、誇り高きサムライ。」

青ざめて頭上を見ると、透明だったはずのチューブが上流からおぞましい色に変色し、本田の手首へ達しようとしていた。しくじった。汗が噴き出す。このままではまずい。必死の抵抗も虚しく、感度上昇剤は本田の体内へ投与され、涙で滲む目で天井を仰ぎながら彼は気を失った。

 

 

 

再び目を開けた本田。どうやら先ほどと同じ部屋に縛り付けられたままのようだが、手元を見ると感度上昇剤の投与に使用したチューブは外されていたようだった。「......やっと目を覚ましたか。」声のした方向に目を向けると、そこにはモニターに本田をコイントスで負かした黒ずくめの男が目の前で立っていた。「さて、先ほど投与した薬について説明しよう。まあ知らないのも当然だ、この薬はその危険性故にごく一部の人間にしか知られていないからな。」彼は淡々と語り始めた。

「あの薬を投与された者は、その身体を塩基の一対一対まで緻密に組み替えられる。そうして作り替えられた人間はな、”肉体の感度を3000倍まで引き上げられる”のだ。きっと風に撫でられただけで立っていられぬほどの快感が襲い、肌を掴もうものなら幾度となく絶頂を迎えるだろうな。」

 


......なんだって?そんなことがありえるのか?

 


「本田、きっとお前は今ここに”在る”だけで身体に違和感を感じているんじゃあないのか」

 


図星だった。

先ほどから何もしていないのに体は火照り、肉棒にも熱を帯び、流れ出るカウパーは本田のボクサーパンツを重くした。信じがたいが、まさか本当に、『感度上昇剤』は自分の体を書き換えたというのか。「ではここからがお楽しみだ。私と”助手代理”の二人がかりで、お前の身体の試運転を手伝ってやる。来い、長友。」

長友......だと!?

 


男の後ろには、かつて共に日の丸を背負い戦ったはずのサムライ、長友佑都が全裸で立っていた。

 

 

 

「まずは下拵えだ。任せたぞ」「はい」長友が本田のそばへ歩み寄ってきた。おい、どうしてしまったんだ。いったいなぜあんな奴のそばに付いている。目を覚ましてくれ。声をかけても長友は返事をすることなく、彼の耳元に顔を近づけると、軽く息を吹きかけた。

「お゛お゛っ゛♡」情けない声。世を沸かせたあの男から汚らわしく厭らしいメスの鳴き声が漏れる。長友は息を吹きかけながら、ハサミを使い拘束された本田のスーツを剥く。そして途中、乳首や陰茎に触れない距離を爪で軽く撫でるのだ。長友の爪愛撫は絶頂のバケツが溢れない程度の快感を与え、それが蒸発するとさらにギリギリの刺激を与える。ボクサーパンツの両側を切り落とし全裸になる頃には目も鼻も口も体表も、そしてペニスも汁まみれで、淫乱加湿器のようにいやらしい臭いで部屋中を染め上げていた。

「あ゛ぁ゛......♡♡♡♡」驚くべきはこの惨状になり果てても一度も絶頂に向かおうとしない本田の忍耐力と長友のテクニックだ。絶頂という敗北に屈しまいとする本田と寸止めさせようとする長友は、その意思は違えど同じ目的のため無意識下の強固なコンビネーションを魅せていたのだ。さすが肩を並べ世界と戦った男達だと黒ずくめの男は感心せざるを得なかった。「......だが、それも長く続くかな」男が本田に近づいた。「前半戦が終わったとでも思うなよ。まだこの試合は始まったばかりだ」二人がかりによる感度3000倍の寸止め極限爪愛撫が始まった。

 

 

 

 

 

 

 


……………………あれから何時間経ったのだろう。

 


本田は未だ黒ずくめの男と長友の愛撫を受け続けていた。爪での愛撫なぞ並の媚薬では何の意味も為すことがないだろうが、感度上昇剤はむしろこのくらい加減しなければあっという間に、ドミノのように絶頂が連鎖するのだと、愛撫中黒ずくめの男に囁かれた。意識を保てている本田もそうだが、何に突き動かされたのかこの繊細な行為を何時間も続けられている二人の執念にも圧倒させらせざるを得ない。脱水症状による愛撫中の気絶を阻止するために、一定のタイミングで本田に水を飲ませているが、液体が食道を通る際に生じる内側からの快感はさらに彼を苦しめることとなった。こうして体内外からの刺激により摩耗した本田の精神は、ついに限界を迎えようとしていた。

「......頼む、これ以上は、もう勘弁してくれ。」一段と掠れた声で彼はついに懇願の言葉を絞り出した。

 


「......条件がある。お前はサッカー監督を降り、一生、カンボジア国民の肉便器となれ。」

 


......何だと?

黒ずくめの男が提示したその条件に対して『ふざけるな』『絶対に嫌だ』という感情を持つ......それが当然のはずだ。はずだった。なのに今、俺は............

 

 

 

 

 

 

 


『悦んでいる............?」

 

 

 

 

 

 

 


言葉に出した瞬間、もう”本田圭佑”という人間はこの部屋のどこにも存在しなかった。彼はもう、一つの肉便器として、その使命に喜びを感じて、快感に屈してしまったのだ。

「お願いします、私を犯してください、肉便器の分際で反抗してしまった無礼を詫びます、もうどうなってもいいです、私の身体を握って、私の乳首を摘まんで、野ざらしに放置して吹き付ける風で、はち切れそうなおちんぽをアナルに挿入して、私を絶頂させて下さっ、お゛っ゛ほ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ゛っ゛っ゛♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 


本田は絶頂した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶頂して気絶し、絶頂して意識を取り戻す。手の拘束を解かれた本田は前は長友、後ろは黒ずくめの男に激しく犯される。その途中、頭を掴まれ部屋のモニターに顔を向けられた本田は、明滅する視界の中で衝撃的な真実を知ることとなる。黒ずくめの男とコイントスで戦った際の映像が再び流された後、本田が気絶した直後のシーンに突入した。画面の中の男は手の甲からもう片方の手を離すと、乗せているコインをカメラに近づけた。

その柄は、”H”。そう、本田圭介はコイントスに勝利していたのである。

「私の高笑いやチューブから静脈に迫る液体とそれに対する焦り、それで自分が負けたのだと勘違いしていたんだろう。実はな、お前に投与したのは少量の麻酔だけだ。大体、現代の医学技術で”感度上昇剤”など作れるものか。とんだ淫乱MFだな」

そう、彼は感度上昇剤などという嘘を信じ込み、ただ爪で掻かれただけでカウパーを垂らしていた、滑稽な淫乱真人間だったのだ。

「あのチューブは二層構造になっていてな、実は外側は静脈に繋がっていない。そこに着色しただけの水を流していたに過ぎないのだ。」

そんな単純な罠に騙されて、あんな風に善がり狂っていた自分を悔やむ……

 

 

 

............ことはなかった。彼は既に快感に狂った変態淫乱MFに仕上がっていた。感度が何倍だろうと、理性を自ら破壊した人間は、もう元には戻れない。

 

 

 

「本気で反抗するつもりならこんな茶番、秒で見破れただろう。それが出来なかったのは、お前が『本能的に快感に貪欲な変態』だったからさ。お前はこの状況を、快感に堕ちるまでの過程までをも、深層下で望み、受け入れ、そして愉しんでいたんだ。”H”のコインを選ぶような潜在的変態マゾ男には、これがお似合いの末路だな!」

 

 

 

腰を振り続ける一匹のメスの水音と喘ぎが、延々と一室に響き続ける。

その声に、もはや意味など存在しなかった。